現金購入・ローン・リース・レンタルを比較|軽貨物の車両の用意の仕方

現金購入・ローン・リース・レンタルを比較|軽貨物の車両の用意の仕方

軽貨物を始めるとき、最初に決めなければならないのが「仕事に使う車をどう用意するか」です。現金で買う、ローンを組んで買う、リースで借りる、レンタルで借りる。さらに、仕事の委託先から車両を借りられる場合や、反対に自分で車両を用意すること(車両持ち込み)を求められる場合もあります。

この記事では、代表的な4つの方法を比較表で並べ、お金の出方、整備の手配、途中でやめるときの扱い、黒ナンバーで使えるかの確認点を整理します。どの方法にも向き不向きがあり、誰にとっても正解になる方法はありません。自分の資金や働き方に照らして選ぶための材料として使ってください。記事の中の金額は、考え方をつかむための仮の数字です。

この記事のポイント

  • 購入は売買契約で車は自分の資産、リースは賃貸借契約で車の所有者はリース会社になる
  • 所有権付の車(リース・ローン・分割払い)でも黒ナンバーは登録できるが、車検証上の使用者は運送を行う事業者でなければならない
  • リースとレンタルは、車検証上の「使用者」が借りる側か貸す側かで区別される
  • はじめに必要なお金、整備の手配、途中でやめるときの扱い、税務上の扱いが、方法ごとに違う
  • 続ける見通しの期間、使えるお金、整備を任せたいかの3つで、候補を絞る

4つの方法の基本的な違い|誰が所有し、誰が使うのか

国民生活センターの資料によると、車の購入は販売店と消費者との売買契約ですが、カーリースはリース会社との賃貸借契約で、車の所有者はリース会社になります。日本自動車リース協会連合会(JALA)は、リースを「所有権は得られないが購入した場合と同様に使用することができる」ものと説明し、車両、資金、維持管理費用、税金・保険などがひとまとめになったシステム商品だとしています。

リースとレンタルの違いについて、北陸信越運輸局 長野運輸支局のよくある質問では、自動車を貸す側が車検証上の「使用者」になる場合の事業が「レンタカー」、自動車を借りる側が使用者になる場合の事業が「リース」だと説明されています。

お金の出方のイメージ(4つの方法)

  1. 現金購入車の代金と諸費用を、最初にまとめて払う
  2. ローン購入車の代金を分けて払う。金利が加わる
  3. リース車と、契約に含まれる費用を、月々の支払いに分ける
  4. レンタル借りた期間の料金を払う

含まれる費用の範囲、はじめに払うお金は、どの方法も契約によって違います。

黒ナンバーで使うときに、最初に確認すること

車の用意の仕方を選ぶとき、先に確かめておきたいのが、その車を自分の黒ナンバーの車として使えるかどうかです。長野運輸支局のよくある質問には、「所有権付の車両(リース、ローン、分割払い)でも黒ナンバー登録ができますか?」という質問があり、「できます。ただし、車検証上の使用者は、運送を行う事業者でなければなりません。」と答えられています。

つまり、購入でもローンでもリースでも、自分(運送を行う事業者)が車検証上の使用者になれるかどうかが前提になります。同じよくある質問で、貨物軽自動車運送事業は1台から始められると案内されています。経営届出の際には、車検証(写しでよいとされています)が必要書類に含まれています。新車の場合は、車台番号が分かる書類(完成検査証など)を用意する案内もあります。詳しい手続きは黒ナンバーの取得方法で説明しています。

方法自分が使用者になれるか(一般的な整理)黒ナンバーのために確認すること
現金購入自分を所有者・使用者として登録する車検証と、届出の書類をそろえる
ローン購入自分が使用者。所有者は契約によって販売店や信販会社になることがある車検証の使用者欄が自分になっているか
リース自分を使用者とする契約が一般的自分を使用者にできる契約か。黒ナンバー手続きの担当は誰か
レンタル貸す側が使用者になる(運輸支局の説明)事業に使えるか、貸出会社と管轄の運輸支局に事前に確認

レンタルの車を貨物運送の仕事に使えるかどうかは、長野運輸支局のよくある質問には書かれていません。レンタルで軽貨物の仕事をする場合は、貸し出す会社と管轄の運輸支局に、事前に確認しましょう。取り扱いは運輸支局によって異なる場合があるため、記事の内容は目安として、管轄の窓口で確かめてください。

どの方法でも、車の保管場所は必要です。JALAのよくある質問は、リースの場合でも自己保有の場合と同様に車庫を確保する必要があると説明しています。軽自動車の保有者は保管場所の届出が必要ですが、政令で定められている大都市以外では、届出の義務が免除されています。対象の地域は、自治体ごとに確認してください。

比較表:現金購入・ローン購入・リース・レンタル

一般的な違いを表にまとめました。実際の条件は契約によって異なるため、確認する観点として使ってください。

観点現金購入ローン購入リースレンタル
契約の種類売買契約売買契約+ローン契約賃貸借契約貸出しの契約
車の所有者自分契約によって、自分または販売店・信販会社リース会社貸出会社
車検証上の使用者自分自分(所有者は契約による)借りる側(運輸支局の説明による)貸す側(運輸支局の説明による)
はじめに必要なお金車両代金と諸費用頭金や諸費用(契約による)頭金・初期費用の有無は契約による契約による
月々の支払いなし(購入時に一括)車の代金の分割払い+金利リース料(含まれる費用は契約による)料金(契約による)
税金・保険自分で払う自分で払う契約によって、リース料に含まれる場合と含まれない場合がある契約による
整備・車検の手配自分で手配し、そのつど支払う自分で手配し、そのつど支払うリース料に含まれる範囲は契約による契約による
走行距離・改造原則として自由原則として自由(契約内容を確認)制約があることが多い契約による
途中でやめる場合売却できる売却時に残債の精算が必要になる場合がある原則として中途解約不可。可能でも解約料等が生じるのが通常契約による
期間が終わった後使い続けられる完済後は自分のもの返却・買い取り・再リースなど契約による返却する

購入とリースの違いをさらに詳しく知りたい場合は軽バンはリースと購入どっちがいいかを、リース・レンタル・委託先からの貸出の違いはリース・レンタル・委託先貸出のどれを選ぶかを参考にしてください。

お金の出方の違い|ローン購入の仮の例と、購入したときの税務上の扱い

ローンで買うと、車の代金に金利が加わる

車の代金が150万円(仮)で、年3%(仮)の金利で、5年(60回)の均等払いにした場合を考えます。月々の支払いは約26,950円、支払いの合計は約161万7千円で、金利の分が約11万7千円になります。現金で買う場合は、この金利の分はかかりません。その代わり、最初に150万円の資金が出ていきます。

(仮の例)車の代金150万円現金購入ローン購入(年3%・60回)
はじめに出ていくお金150万円頭金なしなら、0円(諸費用は別)
月々の支払いなし約26,950円
支払いの合計150万円約161万7千円
金利の分なし約11万7千円

実際の金利や返済の条件は、ローンの契約によって違います。同じように、リースの支払総額を自分で見積もる方法はリースの総額の比べ方で説明しています。購入とリースを比べるときは、同じ期間の総額で見ると、違いが分かりやすくなります。

購入すると、車の代金は数年に分けて経費にする

国税庁の「減価償却のあらまし」によると、減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額が必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくものと説明されています。使用可能期間にあたるものとして、法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。

国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」には、車両・運搬具の欄に、一般用の自動車のうち小型車(総排気量が0.66リットル以下のもの)は4年、運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用の自動車のうち小型車(貨物自動車にあっては積載量が2トン以下のもの)は3年と載っています。軽貨物の仕事に使う車が、どちらの区分で計算されるかは、使い方によって判断が分かれることがあるため、所轄の税務署や税理士に確認してください。

購入では、車の代金は使用可能な期間に分けて経費にし、ローンの金利や自動車税、保険料、整備費などは、それぞれの扱いで経費にします。リースやレンタルの支払いの扱いは、契約の内容によって変わります。考え方の基本はカーリースの費用はどこまで経費にできるかで紹介していますが、実際の処理は税務署や税理士に確認してください。

それぞれの長所と注意点

現金購入

車は自分の資産になり、走り方や架装、売却のタイミングを自分で決められます。金利の負担もありません。一方で、開業時にまとまった資金が出ていくため、保険料や備品、当面の生活費とのバランスを考える必要があります。車検や修理などの不定期な出費も、自分で管理します。

ローン購入

車両代金を分割できるため、手元の資金を残しながら自分の車を持てます。ただし、完済までは所有者が販売店や信販会社になる契約もあり、途中で売る場合は残債の精算が必要になることがあります。整備費は購入と同じく自分で負担します。

国民生活センターには、自動車販売店で軽自動車を分割払いで買うよう勧められ、「オプションを付ける。値引きする。ローンと同じ」と説明されて契約したところ、後から、総額約300万円・6年間のカーリース契約で、走行距離に制限があること、契約満了後に残価約45万円を支払わなければならないことなどが分かったという相談が寄せられています。ローンとリースは、似て見えて、契約の種類が違います。契約の種類は書面で確認しましょう。

リース

同じ車を一定期間、自分を使用者として使い続けられ、契約によっては税金や整備費用も月々のリース料にまとめられます。一方で、国民生活センターは、原則として中途解約ができず、解約できる場合でも解約料等が生じ、多くの場合は走行距離等の利用の制約があると説明しています。

JALAは、リース契約の内容によって、お客様の費用負担の項目がまったく違ってくると説明しています。メンテナンスリースは車両の整備や点検の費用も含みますが、パンク修理の費用などをお客様の負担としている例もあります。ファイナンスリースは、車検費用や法定点検整備費用、消耗部品の交換費用などがお客様の負担になります。種類による違いはファイナンスリースとメンテナンスリースの比較で説明しています。中古車を候補にする場合は中古軽バンのリースと新車リースとの違いもあわせて確認してください。

レンタル(月極を含む)

比較的短い期間から借りられる場合があり、「まずは試してみたい」「繁忙期だけ台数を増やしたい」といった使い方の選択肢になります。ただし、レンタカーは貸す側が使用者になるため、自分の黒ナンバーで事業に使えるかどうかは事前の確認が欠かせません。事業での使用可否、保険の範囲、長く借りた場合の総額も確認しておきましょう。

月極のレンタルは、借りる期間を区切りやすい点が特徴ですが、借りる期間が長くなるほど、リースや購入と比べた総額の差が気になってきます。最初はレンタルで仕事の感触をつかみ、続ける見通しが立った段階でリースや購入を比べ直すという考え方もあります。その場合は、レンタル期間の終わりと次の車の納車の時期がずれないよう、早めに準備を始めておくと安心です。

どんな状況に、どの方法が向きやすいか

次の表は、状況ごとの考え方の一例です。正解を示すものではなく、自分の状況に近い行を見つけて、確認する点を知るための表として使ってください。

状況向きやすい方法理由気をつけたい点
資金に余裕があり、長く続ける見通しがある現金購入金利がかからず、車を自分で自由に使える開業時に、手元の資金が大きく減る
手元の資金は残したいが、車は自分のものにしたいローン購入代金を分割でき、完済後は自分の車になる金利と、途中で売るときの残債の精算
整備や税金をまとめて、毎月の支払いにしたいリース契約によって、整備や税金も月々にまとめられる中途解約の制約、走行距離の上限、満了時の精算
まず仕事の感触を試したい、短期で台数を増やしたいレンタル短い期間から借りられる場合がある事業での使用可否、長く借りたときの総額
委託先が車両を貸し出している委託先からの貸出車の用意の負担が小さいその委託元の仕事に限られる場合がある

委託先によっては車両の貸出がある場合も、車両持ち込みを条件とする場合もあります。貸出車はその委託元の仕事に使う前提になっていることがあるため、複数の取引先と仕事をしたい場合は、自分を使用者とする車のほうが動きやすくなります。委託先の貸出と、自分で契約するリースの違いは委託先の車両貸出と自分で契約するリースの比較で整理しています。

選ぶ前に整理したい3つの質問

選び方の順番

  1. 続ける期間どのくらいの期間、軽貨物を続ける見通しかを決める
  2. 使えるお金開業時に使える金額と、手元に残したい金額を決める
  3. 整備の手配自分で管理するか、任せたいかを決める
  4. 黒ナンバーの確認自分が車検証上の使用者になれるかを確かめる

4つ目は、方法を選んだあとに、必ず確かめます。

  1. どのくらいの期間、軽貨物を続ける見通しか。試しに始める段階なら途中でやめる時の負担を、長く続けるなら期間全体の総額を重く見る
  2. 開業時に使えるお金はいくらか。車以外の出費も含めて、手元に残したい金額を決めておく
  3. 整備や車検を自分で管理したいか、任せたいか。管理を任せたい場合は、整備を含む契約かどうかが比較の軸になる

国民生活センターは、契約時に、購入契約なのか、カーリース契約なのかをしっかり確認するよう呼びかけています。契約期間、残価設定の有無、支払総額と支払時期、利用制限の有無、中途解約の条件、満了時の扱いについて、事業者から説明を受けてから決めましょう。

よくある質問

ローンで買った車でも、黒ナンバーにできますか?

長野運輸支局のよくある質問によると、所有権付の車両(リース、ローン、分割払い)でも、黒ナンバー登録ができます。ただし、車検証上の使用者は、運送を行う事業者でなければなりません。他の運輸支局の取り扱いは、管轄の窓口に確認してください。

リースの車でも、自分の黒ナンバーにできますか?

同じく、リースの車でも黒ナンバー登録ができるとされています。リースでは、車検証の使用者を自分にできる契約かどうかと、黒ナンバーの手続きを誰が行うかを、契約前に確認しておくと安心です。

現金で買うのとローンで買うのは、どちらがいいですか?

どちらが良いかは、資金の余裕と、手元に残したい金額によって変わります。現金購入は金利がかかりませんが、最初にまとまった資金が出ていきます。ローンは手元の資金を残せますが、金利の分が加わります。開業直後は車以外の出費もあるため、手元に残したい金額を先に決めてから考えると決めやすくなります。

レンタルで、軽貨物の仕事を始められますか?

長野運輸支局のよくある質問には、レンタカーを貨物運送に使えるかは書かれていません。レンタカーは貸す側が車検証上の使用者になるため、自分の黒ナンバーの車として使えるかどうかは、貸出会社と管轄の運輸支局に、事前に確認してください。

まず試しに始めるなら、どの方法がいいですか?

試しに始める段階では、途中でやめるときの負担が小さい方法が向きやすいです。リースは原則として中途解約ができないため、契約期間を決める前に、続ける見通しを考えておきましょう。続ける見通しが立っていない段階では、レンタルや委託先の貸出を使えるかも、候補になります。

途中で、別の方法に変えられますか?

方法によって違います。購入した車は売却できますが、ローンが残っている場合は残債の精算が必要になることがあります。リースは原則として中途解約ができず、できる場合でも解約料等が生じるのが通常です。変える可能性がある場合は、契約前に、やめるときの条件を確認しておきましょう。

車庫証明は、必要ですか?

JALAのよくある質問によると、リースの場合でも自己保有と同様に保管場所の確保が必要です。軽自動車は、保管場所の届出が必要ですが、政令で定められた大都市以外では、届出の義務が免除されています。対象の地域は、自治体ごとに確認してください。

まとめ

現金購入は自由度が高い反面まとまった資金が必要で、ローン購入は資金を残せる反面、金利と残債の管理が必要です。リースは同じ車を一定期間使え、整備をまとめられる場合がある一方で、走行距離や中途解約に制約があります。レンタルは短期で始めやすい一方で、事業に使えるかの確認が欠かせません。続ける期間、使えるお金、整備をどうするかの3つで考え、黒ナンバーで使えるかを確かめて決めましょう。

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